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☆柳沼江梨子さんからの報告(4)

チュニジアから研修生が来日ました No4

特別支援学校での研修とラマダン

柳沼 江梨子

 9月というのに暑い日が続き、ザッキーアは「日本も暑い」と何度も繰り返します。「ハメムみたい。」という彼女に「そうで

「…えーと、何だっけ…」

アラビア語での会話中、次のことばが見つからず、思わず日本語でことばを探すほど日本語に馴染んできた彼女。来日3ヶ月目を迎えます。

 9月末には特別支援学校でのオリエンテーションを終え、楽しみにしていた特別支援学校での研修が始まりました。子どもたちに会うことができ、センターの職員の皆さんからは「今までに無くいきいきしている。」と言われていました。

私も協力隊に参加することになり、派遣前の訓練が3ヶ月間、その後派遣前の準備と派遣後の訓練などがあり、大好きな子どもとかかわる事ができなかった約4ヶ月間はとても長く感じていたのを思い出しました。

 研修でお世話になっているのに、学び取る姿勢よりもアラビア語を教えることで頭が一杯な様子で、「子どもたちにアラビア語を教えなくちゃいけないから教材を作らなくちゃ。」とはりきっていました。

 10月中旬まではラマダンが続いています。夜遅くまで食事をし、日の出から日没までを飲まず食わずで乗り切り、日没後は自分でチュニジア料理を作って食べ、更に夜中まで食べるという日々を過ごしているようでした。チュニジアには様々なスパイスがあり、彼女はそれら粉状のスパイスを大瓶で大量に持ってきたため、友だちに料理を振舞う機会が多いようですが、チュニジア料理を作るのには困っていない様子でした。

日本の野菜を見て、「これはチュニジアで言う○○だ。」と言いながらチュニジア料理のレシピを考える彼女。チュニジアの野菜は日本にあるものと殆ど同じです。しかし、日本と比べチュニジアの野菜・果物は大きくて味が濃いように思います。一見どこも砂地のようで、あまり良質の土地とは思えない外見とは逆に、肥沃な大地なのだと聞いたことがあります。そんな大地の恵みのおかげなのでしょうか。チュニジアの野菜と比べた時、日本の野菜や果物は見た目が良かったり、食べ易い大きさや形にかなり品種改良されているのだと感じます。つまりチュニジアの野菜や果物は原種に近いのかも知れません。

イスラム教徒は毎週金曜日に礼拝のためモスクと呼ばれる所に行きます。国にによっても違うようですが、普段は男性がモスクへ行くことが殆どで、女性はあまり行くことはありません。しかし、ラマダンの時期は女性でも毎日モスクヘ行き、お祈りやコーランの勉強をします。モスクの中では男性が前で、女性が後ろか別の部屋でお祈りをすることになっており、男女が一緒になることはありません。

彼女も来日して以来、初めてモスクヘ行ってお祈りをしました。というのも福島にはモスクが無いので行くことが出来なかったのです。家族と別々に迎えたやや心細いラマダンであったかと思いますが、モスクで祈ることができ、とても嬉しかったようです。

その他研修とは別に、県内の障がい者教育・就労支援などをしている方々を対象としたセミナーや、県内外での国際交流のイベントにも参加し、様々な体験をしているようです。その中でも障害者がうどん作りをしている作業所の活動はとても興味深かったようです。

彼女がチュニジアで所属している学校も、職業訓練部門がありますが、地域に根づいたものではなく、更に生徒たちの障害状況にあったものとも言い難いもので、技術を身につけることもできず、地域へも出て行くことが難しい現状です。日本の作業所を参考にしながら、是非彼女なりの打開策を持って帰ってもらいたいものです。

また、日比谷でのグローバルフェスタでは、チュニジアのブースやチュニジア料理の屋台を見つけ大はしゃぎ。チュニジア近隣国の国々のブースへも行き、日本語混じりのフランス語・アラビア語を使って他国の方々とも交流を深め、いつまでも話し込んでいました。

この3ヶ月間でかなりの観光も楽しんだようで、新潟で水族館を見たり、東京では浅草寺や渋谷の街を楽しんだり、県内では会津で大内宿の古民家を見て、絵ろうそくや会津漆器の蒔絵の絵付けを体験したりと、周囲の皆様のご配慮でさまざま体験をさせて頂いているようでした。



(16−2 養護 柳沼 江梨子)